とくまつ / イラスト:牛木義隆 / 徳間デュアル文庫


清涼院流水徳間デュアル文庫デビューシリーズの第二段。
「とくまでやる。」の続編というか、「とくまでやる。」でサラッと流された部分の掘り下げのような話。


夜霧咲を守るための1000人のボディーガードが次々と殺されていくジェットコースターバトルノベル。
そもそも1000人のボディーガードという時点で御大らしいアレな設定ですが、そのボディーガードの面々が清々しいまでにサクサクと殺されていく様子は、ここまで来るとコメディとしか言いようが無い。
殺し屋つえー、とか、ありえねー、とかそういった楽しみ方をするのが適切なのかな。
ミステリ的な要素としてダイイング・メッセージのようなものは出てくるんだけど、正直「いや、死ぬ寸前にそんな遠まわしに言わないだろう」と言う典型的なダイイング・メッセージのためのダイイング・メッセージになってて、かなり呆れましたよ。
あまりに拙劣過ぎる暗号だったし、物語上なんの役にもたちやしねぇ
それと、余りに圧倒的過ぎる殺し屋に、何らかの秘密があるのかと思いきや、単に「殺し屋が強いので圧倒してただけ」というだけで碌な説明すらないのには脱力感を覚えた。
うーん、「構成」が面白かった前巻に比べれば、あまり見るべきところの無くて、酷く瑕が目立つ作品だったなぁ。
流水大説にありがちな、「何ともいえないションボリな作品」な典型でした。
ただ、この作品だけで見ると明らかな拙作だけど、あからさまに「次回へ続く」というラストで終わってる点を考慮に入れれば、次巻を読んでから判断したほうがいいのかなぁ。
とりあえず、気が向いたら次の巻も読んでみましょうかね。