鋼鉄の白兎騎士団Ⅱ / イラスト:伊藤ベン  / ファミ通文庫

鋼鉄の白兎騎士団 II (ファミ通文庫)

鋼鉄の白兎騎士団 II (ファミ通文庫)


舞阪さんのファミ通文庫デビューシリーズ第二巻。


主人公達が入隊した騎士団で奮闘する傍らで、陰謀が蠢いたりする話。
前巻同様、時間軸的「現在」をプロローグとエピローグに持ってきて、主人公たちの入隊当初の話を描く「過去」を本編に持ってくる構成。
いやいや、今回も中々面白かったですよ。
「頭を使って陰謀(謎)に迫る」という知力戦のような部分がやっぱりツボですわ。
コミカルな部分がやや軽過ぎる印象を受けたし、説明臭い部分が多かったりするのに、高いリーダビリティがそれを補って、グイグイ物語に引き込み一気に読ませるだけの魅力に昇華している。
ちょっと理論展開で「?」と思う部分があったし、ぶっちゃけ風呂シーンなどのエロ絵はいらねぇと全力で思いますが、まあ、そこは軽く流すのが無難ですね。
あからさまに「次回へ続く」的な終わり方なので、次巻の早期発売をお願いします。



ところで、


「二人の騎士が偵察に行って、二人とも戻ってこない。
現場に行ってみると一人の死体が見つかって、もう一人の死体は見つからなかった。
そして、しばらく経ってももう一人の姿は発見できずに、連絡も無かった」


というシチュエーションの場合、真っ先に疑われるべきなのは「一人の騎士が、もう一人の騎士を殺して逃亡」という可能性だと思うんだが、何で登場人物たちはこの可能性を論じなかったんだろうか?
実際に真相よりも、こっちの方がリアリティのある仮説だと思うんだが?
……なんか見落としたのかな、私。