マキゾエホリック case2 / イラスト:Nino / 角川スニーカー文庫


スニーカーの新人賞受賞作のシリーズ2作目。


大邪神が復活するという予言を引き金に起こる騒動に、主人公・クラスメイト・学校が巻き込まれる話。
荒唐無稽かつ様々な背景を持つ雑多な登場人物達を、ミステリという構造に押し込めて物語としての体裁を整えるその(いい意味での)力技にはある種の感動を覚えた。
とにかく、こんな無茶苦茶な設定をミステリとして成り立つように制御していることには素直に感心する。
ミステリ構造を持つところは1巻と同様だけど、とにかく登場人物を出す(紹介する)ことに終始追われていた1巻に比べれば、主要な登場人物が絞られてずっと読み易くなってて、普通に楽しめたよ。
1巻読了後の期待が、いい方向に出たなという感じです。
うん、やっぱり作りや雰囲気は割と好みです、この作品。
元々ミステリっぽい作品は好きなので、今後も期待。



ところで、この作品を読んでて、何か引っかかりを覚えてたんですが、ようやくピンと来た。
そうだそうだ、読んでる感覚がファミコンジャンプ」を連想させるんですよ。
それぞれに違う背景・特殊能力を持つ登場人物達から、状況状況に合わせて最適な能力を持つキャラを選んで敵役に当てていくって、その感覚がまさしくファミコンジャンプ
その時々で最適な選択肢(キャラ)が変わるので、必ずしも同一世界のヒーローと敵役が戦うとは限らない。
例えば、作品Aのヒーローを作品Bの敵役に当てると有利に戦えるとか、作品Cの敵役には作品Dの主人公を当てるのと楽勝みたいな。
当時、このゲームをクリアした人ならこの感覚に頷いてくれるはず。きっと
黄金聖闘士サガをぬけさく先生で粉砕したのはいい思い出です。ある意味ね。
まあ、戯言ですが。