第5回富士見ヤングミステリー大賞奨励賞受賞作。
ツンデレツンデレ


探し物を生業とする「エクスプローラー」の少年が巻き込まれる事件のお話。
事故によって特殊な能力に目覚めた少年が、とある少女と係わり合いになるところから物語は動き出す。
ボーイ・ミーツ・ガールの手法を取りながら、事件の謎に迫る展開はスピーディで飽きさせない。
途中で手がかりが途切れても、「能力」によって突破口を開いて停滞させないところが中々上手い。下手すると「単なる都合のよさ」に成り下がってしまう「特殊な能力」という要素を実に上手く使い切っている。
この辺りはライトノベルという媒体におけるサスペンスとして、センスを感じるかな。
ただ、ボーイ・ミーツ・ガールのような話の作りの割に、響の影がちょっと薄かったのが残念。
様々な勢力・人物が入り乱れる話なので、一人に焦点を当てるのは難しいとは思いますが。
次の巻があるのなら、響にパートナーとして見せ場があるといいなぁ。
主人公の一部不可解な拡大能力が謎のままだし、黒幕とかもまだ残っているので次巻は出ると思いたい


とりあえず、今回のヤングミステリー大賞の受賞作品の中では間違いなく一番面白かった
受賞3作品の中では唯一、次巻も読みたいと思わせる一作。