歪んだ創世記 (講談社ノベルス)

歪んだ創世記 (講談社ノベルス)


第六回メフィスト賞受賞作品。

典型的なメタ小説。ゲームブックを思い出した。
後半の「掟(ルール)」で出来る・出来ないことの条件が実に曖昧で、釈然としないものが残ったり、論理的な部分の整合性とかは誉められたものじゃないかな。
「何でもあり」の力に対して、どのような枷を嵌めるかってのは、センスを問われる部分ではあるけど、この作品のそれは決して上手くないかな。
それと、終盤の展開のグダグダ感は正直うんざりしたかな。色々とこじつけや揚げ足とりのような感じで、都合のいい方向に物語を収束させようとする展開は、かなり苦笑ものだった。
ただまあ、序盤から中盤にかけてはミステリ的な雰囲気は出てるし、メタフィクションってのは割と好きなジャンルではあるから、瞬間的にほんの少しは楽しめたかな。凄く甘めに見積もってですがね


うーん、メタフィクションを読んだこともないような人ならもっと衝撃を受けたり、驚いたりして楽しめたのかもね。
中途半端にメタ慣れしてた自分に残念だ。