永遠のフローズンチョコレート / イラスト:ワダアルコ  / ファミ通文庫

永遠のフローズンチョコレート (ファミ通文庫)

永遠のフローズンチョコレート (ファミ通文庫)


後書きから判断するに前作「アルテミス・スコードロン」が(おそらく)打ち切られた作者の読み切り新作。
……続編楽しみにしてたから、かなり凹んだよ……


殺人鬼の少女が不死身の少女の出会い、別れまでの話。
生理的に人を殺す主人公の少女、殺人者であることを知りながら少女と付き合う無気力な少年、不死身の体で朗らかで快楽的に毎日を過ごす少女、など多分に異質な部分を内包しながらも、それ以外の面では「今時の中高生」という造形がされているのが印象深い。
異常な少女と出会い、遊んだり衝突したりしながらも、何も変わらなくて前にも後ろにも進まない息詰まるような雰囲気が堪らない。
多分、このまま惰性で生きるくらいの自然さで、この少年少女は死を選ぶんだろうと思うと泣けてくる。
ストーリー自体は、転も結も無い、どこまでも静的で物語性の低い話である。
コレは、始まりも終わりもしない登場人物達の織り成す閉塞感に溢れた低温の物語