マテリアルゴースト2 / イラスト：てぃんくる / 富士見ファンタジア文庫

マテリアルゴースト2 (富士見ファンタジア文庫)

富士見ファンタジアの新人賞受賞作のシリーズ2作目。

不思議な力を持つプチ死にたがり少年が、バイト先で幼馴染の少女と再会して、猟奇事件に巻き込まれる話。
鈍感な主人公が色んな女の子に好かれるところとか、登場人物たちの軽妙な会話の楽しさといい、やっぱり良くも悪くもエロゲフォーマットの作品ですね。会話ベースでのやり取りの面白さって、（エロゲ等の）SS書きに良く見られる傾向な気がする。
キャラ同士の掛け合いとツッコミが普通に面白く、キャラ小説としては割と好きですわ。この作品。
ただ、ストーリーに関しては余り中身が無かった気がするなぁ。
主人公の「死にたがり」の原因・心理に踏み込んだ以外は、見所が少ない。
新キャラ男の「告白」に関するオチは最初から予想がついてたし、主人公達が「顔剥ぎ事件」に巻き込まれる流れが唐突過ぎる。ページ数に比べて、物語の起伏や展開に広がりが無いのが気になるなぁ。
まあ、鈴音が電話を受けて「犯人」を前に混乱するパートの、「恐怖感」の煽りは悪くなかったけどね。
とりあえず、今のところキャラの掛け合いだけでも十分に楽しめているので、次巻にも期待。
主人公の能力、ユウの正体、神無の家、この辺りの伏線が動き出すのが楽しみだ。