結局

コミティアに行くことにしました。現在東京です。
東京行き11時50分の高速バスに乗るか乗らないか迷った末に、10時45分にチケットを購入
出発1時間前まで迷っているところに、やる気の微妙さを感じて頂ければ幸いです。
……さてと、明日の朝にでもサークルチェックしましょうかね……(まだやってないのか)

初恋セクスアリス / イラスト:桐野霞 / 富士見ミステリー文庫

初恋セクスアリス (富士見ミステリー文庫)

初恋セクスアリス (富士見ミステリー文庫)


富士ミス企画「初体験Project」第二弾4作品中の1作。
新人作家・矢野有花のデビュー作。


母親が入院するため、夏休みを曾祖母の住む島で過ごすことになった少女の恋と過去の柵の話。
あー、何というか、キャラが大体出揃った時点で、大方の展開・キャラ同士のやり取りが想像ついてしまう余りに陳腐なストーリーとキャラ造形は何とかならないものか。
漠然と想像してた「こうなるかなぁ」というストーリー予測が、自分でも驚くほどの精度で当たっていく様はある脱力ものでしたよ。それも私の予測が優れてるのではなく、「ベタベタで使い古された展開そのまま」という捻りの無いストーリーラインが原因。
ここまでオリジナリティも、新しさもない小説は久々に読みました。
それを一概にバッサリ否定しようとは思いませんが、さすがにここまで陳腐だと苦笑いしか浮かんでこねぇ。
凡作を超えた超凡作と言える小説でした。
まあ、その代わりに破壊力のある地雷にも成りきれてない訳ですが。


あー、でも、今回の「初体験Project」8作品の中では唯一、具体的な「初体験」が絡んでくる作品だったので、その点だけは「企画名を完全に看板倒れにしなかった」ということで評価してもいいかもね。
まあ、そもそも企画名に脈絡が無さ過ぎるんですけどね……どうせインパクト勝負だったんだろうけど。

空とタマ ―Autumn Sky, Spring Fly― / イラスト:原建人 / 富士見ミステリー文庫

空とタマ―Autumn Sky,Spring Fly (富士見ミステリー文庫)

空とタマ―Autumn Sky,Spring Fly (富士見ミステリー文庫)


ご愁傷さま二ノ宮くん」の作者による富士見ミステリーデビュー作。
富士ミス企画「初体験Project」第二弾4作品中の1作。


家出してきた少年が廃屋で出会った少女と繰り広げる攻防劇。
いや、コレは面白かった。今回の「初体験Project」8作品の中では一番好きかもしれない。
饒舌系の一人称で進む形式で、「策士策におぼれる」を地で行くような主人公の空回り具合と、作戦や策略が簡単に交わされるコケっぷりが素敵。
そして、後半になると明らかになる主人公・少女の境遇を機軸とする青春小説的なアプローチが素晴らしい。
切なくて、悲しくて、暖かくて、優しくて。そして心に突き刺さるような想いが狂おしい
勿論、饒舌一人称と言う形式は好き嫌いが別れるだろうし、ひたすら主人公が独白するだけのパートがあったりと、結構癖があるので、決して万人向けとは言えない。
ただし、ツボにはまれば突き抜けてくれるようなパワーがある作品。
あーもう、青春は甘酸っぱくてビターだぜ。コンチクショウめ。